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 漱石全集が古本で二万円も払わずに買える時代になりました。それはシェークスピア全集と共に、学生時代は高嶺の花でした。今、200坪もある大型書店へ出かけても、歴史的な文学書は文庫本以外には中々見つかりません。これらは古書店で埃を被ったものが散見されるのみです。いわゆる書店というものの多くは志厚き人物がその業を始めたものですが、そのような人種は、辛うじて古書店に稀に見かける程度になりました。

 ハングリーな学生生活が当たり前だった時代に、新書版や文庫本なるものが生まれました。欧米では既にペーパー・バックが市民権を得ていました。人間の便利さや安易さに付け入ったような商売が次々と成功し、これに慣れれば後戻りは難しくなります。

 ヨーロッパでは本を大切にします。蔵書の習慣は我が国の比ではありません。文学書や楽譜に自分なりの工夫をこらしたハード・カヴァーをあつらえます。読めば良いというものではありません。寝転んで読むには不都合な重さであり、電車の中では持つにも骨が折れます。本自らが構えて読むことを要求するのです。ダンテやドストエフスキーや鴎外に限らず、気軽に取り組めるものではありません。これらは、未知に踏み込み無知を正し、時には命運をも変える力を持っている永遠の文化遺産です。

 容易に学んだことは容易に忘れると言う意味の諺は世界中にあります。書を読むことが友人の条件の第一と看破した歌もありました。先人の遺産をしっかりと受け止め消化するに相応しい姿勢があると考えることは間違いでしょうか。手ごたえのある読書は同時に満足感を生み、何事も疎かに扱えぬという気持ちも養うです。

 果たしてここにアナログの世界を見るます。蔵書というに足る書物を読む行為に、レコードを聴くことと良く似た意識を感じます。