Home
オンラインショップ
通販リスト閲覧
通販リストのお申込み
ショップブログ
ご利用ガイド
コンディションについて
アクセス
レコードへのこだわり
取り扱い絵本
リンク集
お問い合わせ

携帯ショップ用QRコード






レコードへのこだわり

 『特殊』という面に光を当てて考えるとレコード音楽文化は興味深いものがあります。洋楽の源であるヨーロッパでの音楽文化は完全なピラミッド型です。これは文化の提供・享受の図式を考えた場合です。ピラミッドの裾野には愛好初心者やプロの卵が遍く広がり、彼らに支えられて、経験・理解・才能などの度合いで頂点に向かって埋め尽くされ、歴史や伝説となり得る評価を得たアーティストや作曲家が頂点を築いています。ここで、音楽文化を提供する側に絞って考えれば、レコードとして我々が享受した部分の殆どはピラミッドの頂点として占められいるものと考えて良いでしょう。CDの時代になればこれは何倍もの広がりをもってきます。つまり、頂点の部分に至らないアーティストや作品にも容易に機会が与えられるのです。

 レコードへのこだわりを強く支えるものの一つは、レコードはピラミッドの頂点という特殊性、言い換えれば、特に演奏においてはヨーロッパ文化を代表するアーティストを網羅したものであるということです。もう一つ持論を加えれば「文化は繁栄に支えられて育ち、芸術は逆境とハングリーに翻弄されて深みを増す」と言うこと。二つの大戦に挟まれ、あるいはそれに前後して残された作品や演奏の充実は、言い尽くされた感もありますが、特に第二次大戦後のアーティストたちが、瓦礫の中に不屈の精神で立ち上がり、時同じくして現れたLPレコード録音への使命感に燃え、演奏芸術の極みを保存してくれた例は枚挙にいとまがありません。

 これが世に言う『巨匠の時代』。指揮者ならトスカニーニ、フルトヴェングラー、ワルターらの晩年であり、70年代に入るや多くの巨匠の君臨した黄金期を閉じた思いのするのは私だけでしょう。数名の巨匠では歴史は作れません。指揮者も歌手も器楽奏者も、偉大なる個性が林立し切磋琢磨して前半世紀の不遇を取り戻すかのように羽ばたいた輝かしい20数年間でした。